皆様は『くっつき虫』といわれて何を思い浮かべるだろうか。
子供のころ自然で遊んでいたら、真っ先に頭によぎるのはこれだろう。
こいつはオオオナモミと呼ばれる植物の種子で、北アメリカ(メキシコ?)原産の外来種らしい。昔はオナモミという日本在来種が居たそうだが、オオオナモミの襲来に負け今では絶滅危惧種とのこと。
侵略的外来種という悪名を持っているが、外見だけを見ればコロコロとしてかわいらしい。特に乾燥する前は鮮やかな緑色なので、さわやかさもある(これは個人的な意見です)。何より服にくっついても簡単に取れるし、みんな大好きマジックテープ(和製英語、英語では Velcro tape という)の想起元でもある。
一方で今回私がしてやられたのは『コセンダングサ』と呼ばれる植物の種子。こいつも外来種だ。
引っ越しをきっかけに散歩が日課となりフラフラしていたのだが、ある日気がつくとこいつの種子がコートにびっしりと付いていた。
この植物は見た目こそかわいいものの、種子はオナモミと比べて凶悪である。種が服についたら最後、何をしても完全には取れないのだ。というのもコセンダングサの種子には細い棘と返しが付いており、その棘は繊維の奥に入り込んでしまうのだ。さらに種を無理やり引っ張ると種本体だけがちぎれ、棘は服に刺さったままとなる。
運び手のことを考えない実に迷惑な奴だ。
それ以来、道端を歩くときは一層の植物観察をするようになった。いわゆる危機察知である。
すると思った以上にコセンダングサが多いことに気がついた。外来種がいかに凶悪であるか、身をもってわからせられた瞬間である。
田舎移住をきっかけに、環境問題に気がついたブログ主であった。